2014年2月14日金曜日

コンドレンス・カード(フランス)

すっかり報告が遅くなってしまいましたが、
フランスでもお悔やみのカードを見つけることができました。

まず、モノプリというスーパーのカード売り場にて
「Condoléances」というコーナーを発見。
Condoléancesはフランス語で「哀悼」や「悔やみ」を示します。
パステルカラー中心の優しい色合いで、
メッセージはせいぜい1文か2文。
描かれているモチーフは、お花や雲、ススキが中心です。

見本市で、カード会社のブースを見つけお話を伺ったところ
「フランスにもお悔やみのカードを贈る習慣がある。
クリスマスカードほど盛んではないが、着実にニーズはある。
イギリスではお悔やみのカードを贈る習慣はもっと盛んで、
我が社のカードは英語版とフランス語版の2種類がある。
花や自然の風景が好まれる。」
とのことでした。

「私はアメリカで様々な種類のシンパシー・カードを見てきましたが、
ススキは初めてみました。
この柄はフランスで好まれているようですが何故でしょうか?」
と聞いたところ、

「ススキもそうですが、麦の穂のモチーフは特に人気があります。
自然の摂理--芽が出て、花が咲き、実が実り、
頭を垂れ枯れていく--という様子を示しているからです。
遺族の心情に寄り添うとされています。」
とのことでした。

フランスのコンドレンスカードは、
アメリカのシンパシーカードと比べて色使いが控えめ。
より日本人の感覚に合うように感じました。
左端のカードはメッセージなし。
中央のカードには
Affectueuses pensées dans cette douloureuse épreuve.
(この辛い試練に心からの思いを寄せて)
右端のカードには
Que ces quelques mots vous aident a traverser ces moments difficiles et a apaiser votre chagrin.
(これらの言葉があなたにとって困難な時期を乗り越え、悲しみを癒やすことに役立ちますように。)
と書かれています。



従来の日本では「訃報を聞いたら、お香典を持ってお通夜に行く。
参列できない場合はお線香を贈る。」
のが習慣でした。

しかし、お香典を辞退する方も増えていますし、
家族葬も増えてきました。
遠方に住んでいて参列できないことも多々あります。
お線香を使わない宗派の方もいらっしゃいますし、
お線香を大量にもらってしまって困るご遺族も少なくありません。

今後は日本でも「訃報を聞いたらお悔やみのカードを贈る」のが、
選択肢の一つとして支持されるのではないかと思います。


パリの見本市では、とても素敵なデザインで高品質のカードに
出会うことができました。
が、問題は価格。ユーロ高円安もあって直接輸入すると、
気軽に送れる価格ではなくなってしまいそうです。

様々な方法を考えながら、
碧香堂でも、現代の日本人の心情に沿ったお悔やみのカードを
提供できるようにしたいと思います。
近いうちに。


2014/4/18追記
第一弾として、アンナ・グリフィンのグリーティングカードの取り扱いを始めました。
ご挨拶カード売り場@碧香堂はこちら

0 件のコメント:

コメントを投稿