お取引に至らなかった、とあるキャンドルメーカーとの交渉のお話その5です。
【今までのお話】
ANNA GRIFFINのカード(1)出会い
ANNA GRIFFINのカード(2)カタログをください
ANNA GRIFFINのカード(3)キャンドルメーカー
ANNA GRIFFINのカード(4)エレベータースピーチ
ANNA GRIFFINのカード(5)エレベータースピーチ2
ANNA GRIFFINのカード(6)作戦会議
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3時間だけ仮眠をとることに決めた私は、しっかり目覚ましをセットして眠りにつきました。
自分のiPhoneとホテルの部屋にある時計、そしてモーニングコールサービス。
時差を確認しながら慎重にアラームをセットしました。
言うべきことは決めました。
プレゼンテーションと交渉は元々得意です。
あとはお肌の調子を整え、元気はつらつと行けばOKでしょう。
連日の疲れもあってすぐに眠りに落ちたはすなのですが、
目覚ましが鳴る前にはっと目が覚めました。
「あれ、”輸入ルートを再考してほしい”って英語でどうやって言うんだろう?!」
そうです。私は日本語で話すべきことは決めていましたが、
それを英語でなんと表現するべきか調べていませんでした。
パジャマのまま、iPhoneの辞書アプリを片手に、分からない単語を調べながら
「英語で何というべきか」を書いていきます。
お部屋に備え付けてあった、ホテルの便せんの余白が少なくなってきてしまいました。
能率が悪いこと仕方ありません。
そしてやはやり口頭では効果的にPRできる自信がありません。
自分の得意分野を活かすという意味でも、プレゼン資料を作る必要があるでしょう。
インターナショナルバイヤーラウンジに行こうと思いました。
あそこには、パソコンとコピー機、そして簡単な文房具が用意してあり、
各国のバイヤーが自由に使えるようになっています。
そして朝ごはんのサービスもあります。
空腹できりきりと胃が痛みだしました。
私は日本から持ってきた梅のど飴でごまかしながら、
「ラウンジが開くと同時に飛び込んで、プレゼン資料を作ろう。
そして朝ごはんもあそこでいただこう」
私はそう心に決めました。
朝8時45分。ラウンジの前で待っている私を見つけて担当者が驚きます。
”グッドモーニング。今日はまた早いのね!”
”おはよう。ラウンジのパソコンを使って書類をつくりたいの”
”いいけど、ここのパソコンでは日本語が使えないわよ”
思った通り、ここのパソコンには英語環境しかないようです。
しかし私は腐っても元SE(システムズエンジニア)。
英語Windowsは何度も使ったことがあります。
幸いMS-Officeが入っていました。
私はコーヒーと謎のホットサンドの朝食を食べながら、
3枚のプレゼン資料を作りました。
1枚目は表紙とアジェンダ。私の連絡先もさりげなく記します。
そして、2枚目には輸入ルートの件。
物流の最適化(optimization)というタイトルです。
私は、卸売・小売り業界の言葉はよく知らないのですが、
optimizerはIT用語として知っていました。
データベースのアクセス最適化を行う機能をoptimizerと呼ぶのです。
商流(契約の流れ)は変えられなくても、物流(モノの流れ)は変えれるし、
そうした方があなたの会社の為であると書きました。
アメリカから直接日本まで運んだ場合と、アメリカからイギリスを経由して日本まで運んだ場合のマイルを調べ、具体的な数値で記しました。
英語環境のパソコンでは検索が困難です。
iPhoneでJTBのサイトにアクセスし、飛行機ルートを検索することでマイル数を調べました。
3枚目には「私をイギリスの代理店のD氏に推薦してくれ」と書きました。
ミーティングの結論であり目的です。
細かい条件をとやかく話し合うことになっても、私は対応できません。
私のビジネスの準備状況と、貴重な「オーナーとの直接対談」の機会を得た
というアンバランスな2つの状況を考えて、この結論が最適だと判断しました。
この申し出にYesと言ってもらうことが本日のアポイントの目標です。
必死で書類を作っていて、ふと気が付くと、ラウンジに日本人が大勢いました。
そろそろミプロ御一行様の集合時間です。
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ANNA GRIFFINのカード(8)商談へ続きます。
ホテルのお部屋。
この机で一生懸命資料を作りました。
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